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抗議声明
非正規の賞与差別裁判、最高裁が上告棄却・不受理を決定!
我々はヤマト運輸に非正規差別が無くなるまで闘い抜く!


2018年9月7日
宮城合同労働組合
同 クロネコヤマト支部

 裁判所は原告畠山健治(以下、畠山)の主張に対し、1審判決(仙台地裁2017年1月30日)、2審判決(仙台高裁2017年7月26日)すべてにわたって、非正規社員の賞与基礎金額を最大60%切り下げてもかまわないとした偏った判断を下してきた。畠山が指摘する被告ヤマト運輸(以下、会社)の不法行為、さらに多々の不公正な非正規労働者差別について、一切判断を記述すること無くすべてを隠蔽し棄却してきた。畠山は不当判決に抗して上告したが、本年8月29日、最高裁が上告棄却及び上告不受理を決定した。

 労働契約法20条に沿うならば、正規社員と非正規社員との間の労働条件の相違が不合理であるかどうかの判断にあたり、比較する対象は、畠山と同じ業務区分(長・中距離運行乗務員)でなければならない。にもかかわらず1審判決は、正規社員と非正規社員との間の転勤の有無を際立たせるために、比較対象を会社における最大人数であるセールスドライバー(市内配達を行うドライバー)に拡大し、正規と非正規の転勤数の相違が大きくなるように印象操作した。

 次に1審判決は、「正規社員と非正規社員との間には、ともに運行乗務業務に従事している場合、その内容及び当該業務に伴う責任の程度は同一と言えるが、正社員に期待される役割、職務遂行能力の評価や教育訓練などを通じた人材の育成などによる等級役職への格付等をふまえた転勤、職務内容の変更、昇進、人材登用の可能性といった人材活用の仕込みの有無に基づく相違があり、職務の内容及び配置の範囲には違いがあり、その違いは小さいものとはいえない。」とした。正規と非正規に対する「期待度の相違」などという会社の主観的主張を受け入れて、正規と非正規に根本的相違があり、格差は合理的であると強弁した。

 さらに1審判決は、「各期の賞与は、その支給方式も含め、ヤマト運輸労働組合との協議のうえ定められている。」として「適法理由」とした。しかし当時ヤマト運輸労働組合には、非正規の組合員がいない。会社と御用組合との非正規差別を露わにした協定を持ち出して会社の差別政策を後押しした。そもそも畠山がヤマト運輸労働組合員ではなく、宮城合同労働組合に加入している以上、ヤマト運輸労働組合との協議内容が不利益にはたらくことはないはずである。

 また賞与の裁量権に関し1審判決は、「賞与における成果査定については、使用者がその経営方針に基づき諸般の事情を総合考慮して行うものであり、使用者に広範な人事裁量権が認められる」とした。

 賞与といえども、本件では確立した労働慣行により既に労働者の権利となっているうえ、非正規社員に対し適用される賞与の際の成果査定は賞与基礎金額を最大60%切り下げ得るものであるから、裁量権の逸脱も甚だしいのが実態だ。

 2審判決も前記1審判決を踏襲し、労働契約法20条の非正規差別禁止規定を無視する許しがたい判決を下した。その上この度最高裁が不当な上告棄却及び上告不受理を決定した。

 全国で非正規差別と闘い抜いている仲間の皆さん。労働契約法20条に基づき共に差別撤廃裁判を闘い抜いてこられた同志の皆さん。皆様方の当該裁判闘争に対するご支援まことにありがとうございました。当該はこのたびの不当な最高裁の上告棄却・不受理決定を決して許さず、ヤマト運輸のすべての職場からあらゆる差別と不条理を無くすため闘い抜く決意です。

以上

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