キステムは同一労働・同一賃金を実行しろ 非正規労働者にもボーナスを出せ パート有期労働法裁判に勝利しよう！

2024年7月15日発行　会報第9号

控訴審第１回期日：８月２７日１５時に決定！ 仙台高裁に結集し、��橋さんと共に闘おう！ 当日の日程 14：00〜14：30 仙台高裁前の小公園で前段集会 15：00 控訴審第１回口頭弁論 原告��橋さんの意見陳述 15：40〜17：00 報告集会 青葉区中央市民センター第一会議室 最高裁不当判決に追従した盛岡地裁判決を許さず、 6 月２７日、控訴理由書と証拠類を仙台高裁に提出！ 　全国の仲間のみなさん、 ４月２６日盛岡地裁は、判決文に「２０２０年１０月の最高裁大阪医科薬科大判決を判断の枠組みにする」と記載したうえで、事実関係が異なるにもかかわらず、無理やり同判決に押し込んで��橋さんの請求を全面棄却しました。 また、就業規則に「契約社員には賞与と退職金を支給しない」と書いていることや、賃金、賞与は職場の多数を組織する情報労連との合意で決まっていることを挙げて、経営判断・「労使自治」を強調しました。 　さらに許せないことに、賞与の性質・目的に関する被告キステムの主張から「功労報酬」を削除し、「正社員を確保するのが賞与の唯一の性質・目的」に捏造し、賞与が正社員のための制度化であるかのように述べています。賞与に功労報酬の性質があるとゼロにはならないはずです。 −以下、控訴理由書の抜粋− 　被控訴人の賞与には被控訴人も述べているように「労務の対価の後払い、功労報酬、労働者の意欲向上等の多様な趣旨」を含む。であるならば、たとえ控訴人と東北支店営業所の事務担当正社員に職務内容等に一定の差異があったとしても、均衡待遇の観点から、控訴人に全く支給しないのは明らかに不合理である。事務担当正社員と契約社員の間で著しい待遇相違がある場合、パート・有期法８条及び旧労働契約法２０条の実体的規律によって待遇相違の不合理性を肯定すべきであり、是正が図られるべきである。 ご支援いただいている皆様へ 原告　��橋 　この度は「同一労働同一賃金」を求めたキステム裁判にご賛同とご寄付をいただきまして、誠にありがとうございます。 頂戴した寄付金は、大切に使用させていただき、非正規雇用者の不合理な待遇格差解消を目指して精進いたします。 「毎年増えていく法律のほとんどは、力の弱い人の訴えに寄り添ってできてきたものです。その方々が声を上げてきた歴史なのです。力の弱い者も強い物も、同じ世界で生きていくためのルール。法律はそのためにできていく！」 　私が心の支えにしている、あるドラマの言葉です。 まさに、パートタイム・有期雇用労働法は力の弱い人のためにできた新しい法律なのです。 　ただ、一方で 「日本の司法が正義や真実を証明してくれるとは限らない！」 ということも、今回の裁判で大きく実感したことです。 　闘いは、まだまだ続きます。厳しい闘いだと覚悟しております。 最後まで闘い抜くために、今後ともお力添えをどうぞよろしくお願いいたします。 −公正判決を求める要請書に関するお願い− 皆さまの一言を高裁へ届けよう！ 　文中に支援の皆様各々の意見を書いてもらえるスペースを設けました。 盛岡地裁の判決に対して、あるいは仙台高裁に対して、支援の皆様一人ひとりの言いたいことがあるかと思います。ぜひ思いを一言書き綴ってください。 　要請書をこの会報と一緒に送付しますので同封の返信用封筒に、申し訳ありませんが切手を貼って事務局に返送ください。 又は、FAX で返送ください。 FAX 宛先 022-222-7734 （宮城合同労組内、��橋さんを支援する会） 夜間受信可要請書の到着締め切りは８月１６日としています。 事務局が仙台高裁第２民事部に出向いて提出します。 訃　報 　キステム東京本社抗議闘争の際には��橋さんをわざわざ上野駅まで出迎えに来られ、身近な仲間として接しておられた全国一般労働組合全国協議会中央執行委員長の平賀雄次郎氏が急な病に襲われ、７月 11日午前１時半ころ逝去なされました。４月２６日のキステム裁判判決に際しても盛岡現地に傍聴支援に来られ、不当判決に対する抗議の記者会見を原告��橋さんと共に行っていただきました。 　私たち��橋さんを支援する会事務局は、非正規労働者への差別を許さない闘いを最後までやり抜くことをお誓い申し上げ、未だ私たちのそばで同一労働同一賃金裁判闘争を見守っておられる平賀委員長への追悼といたします。 (支援する会事務局長 星野憲太郎記） ��橋さん、５か年の闘い ２０１２年 ２月 臨時社員として会社水沢営業所の事務担当者として働き始める。 ２０１９年 ４月 正社員と同じくフルタイム、週５日、月給制となる。 同年１０月 営業所長に対し質問書を提出。その後、正社員との待遇差を問題にし是正を要求。 ２０２１年 ２月 情報労連キステム労組に加入。会社の考えを��橋さんに伝えるだけだったので７月に脱退。 　　　同年 ９月 全国一般宮城合同労組に加入。団交を行い正社員と同一給与、同一賞与を要求。決裂する。 ２０２２年 １月 労契法２０条、パート有期法８、９条、１４条違反で盛岡地裁に提訴。厚労省と盛岡で記者会見。 ２０２４年 ４月 盛岡地裁が��橋さんの請求を全面棄却。抗議の記者会見で控訴を表明。 盛岡地裁不当判決、その中身について １、判決文に「２０２０年１０月の最高裁大阪医科薬科大判決を判断の枠組みにする」と記載したうえで、事実関係が異なるにもかかわらず、無理やり同判決に押し込んで��橋さんの請求を全面棄却した。 ２、また、就業規則に「契約社員には賞与と退職金を支給しない」と書いていることや、賃金、賞与は職場の多数を組織する情報労連との合意で決まっていることを挙げて、経営判断・「労使自治」を強調した。 ３、さらに許せないことに、賞与の性質・目的を被告キステムが「功労報酬」を含むと主張しているにもかかわらず、これを削除し、「正社員を確保するのが賞与の唯一の性質・目的」に捏造し、賞与が正社員のための制度化であるかのように述べています。賞与に功労報酬の性質があるとゼロにはならないから、意図的に削除した。 ４、判決は、��橋さんが毎日行っている中心的業務が正社員と同一であることを認めつつも、「所長の補助業務を��橋さんは行っていなかった」等、被告キステム側の主張をそのまま引き写して事務担当正社員との「職務内容と責任の程度の相違」を認定した。しかし��橋さんは所長の補助業務を行っていたし、職務が他の営業所の事務担当の正社員と比較して内容も責任も軽いものではなかった。 ５、また判決は、事務担当正社員が相当残業を行う一方、��橋さんがほとんど行っていないと認定した。しかし、事務担当正社員の中にも残業を全く行っていない者もおり、これも事実誤認である。 もっとも残業時間によって業務や責任の相違をいうのは当を得ない。むしろ企業は所定時間に仕事をやり終えることを求めている。 ６、東北支店営業所の事務担当正社員についての配置転換の例が少なくとも平成２６年度以降ないとしても事務担当正社員については、将来的に配置転換等の可能性があると言える」として不確定未来の事柄を持ち出して��橋さんとの違いに仕立て上げた。将来の可能性は何とでも言える。長年の実態は、��橋さんも事務担当正社員も配転がなく、同一の状況である。 ７、その他の事由： 「正社員登用制度」があれば、著しい賃金格差が許されるのか？判決は、「被告においては正社員登用制度が存在し、同制度は実際に機能しているため、契約社員は同制度によって正社員との賃金の相違を解消する機会が与えられていることからすれば･･･基本給の額に相違があることは、不合理と評価することが出来るものとはいえない」とした。 正社員に上がれば賃金格差が解決するというのは明らかに問題のすり替えである。��橋さんは、現にある契約社員と正社員との賃金格差が不合理であるから解消を求めたのだ！